ベルナール・ビュッフェ
《果物のある静物》
リトグラフ
1967年
31×24cm
《ベルナール・ビュッフェ リトグラフ作品集》より
限定3000部
果物を主役に据えた静物構成
本作は、テーブルの上に並べられた複数の果物と器、グラスを主題とした静物画です。画面中央には大きなグラスが据えられ、その周囲に緑と黄色の果物、そして赤い果実がリズミカルに配置されています。
単なる写実ではなく、果物のかたちを単純化しながら構築的に組み上げることで、ビュッフェならではの緊張感ある画面構成が生まれています。
色彩で際立つ果実の存在感
背景の淡いブルーグリーンに対し、緑と黄色の果物がはっきりと浮かび上がり、画面に鮮やかなリズムを与えています。赤い果実は小さな点景として配置され、全体の色調を引き締める重要な役割を果たしています。
抑制された色数の中で、果物の存在感だけが静かに際立つ構成は、ビュッフェの卓越した色彩感覚を感じさせます。
鋭い線描が生む造形美
太く鋭い輪郭線によって果物のフォルムは大胆に縁取られ、丸みを帯びた果実でありながら、どこか彫刻的な硬質さを帯びています。直線と斜線を多用した構図は、静物でありながらも画面全体に張り詰めた空気を生み出し、鑑賞者の視線を自然と中央へと導きます。
ビュッフェ独自の線描の美しさが、果物という日常的な題材に新たな緊張感を与えています。
1960年代ビュッフェの静物表現
1960年代は、ビュッフェが確立した様式をさらに洗練させていった円熟期にあたります。本作に見られる構築的な構図と抑制された色彩、そして鋭利な線描は、その完成度の高さを端的に示しています。
果物という古典的なモチーフを通して、時代性と画家自身の美意識を凝縮させた静物画といえるでしょう。
コレクションとしての魅力
果物を主題とした親しみやすいモチーフでありながら、ビュッフェならではの強い造形性と存在感を備えた一枚です。空間に飾った際にも静かに主張する佇まいがあり、現代的なインテリアとの相性も良好です。
ベルナール・ビュッフェの円熟期の作風を象徴するリトグラフ作品として、コレクションにふさわしい作品といえるでしょう。