アントニ・タピエス 《足と赤い線》 エッチング・カーボランダム

385,000円(税35,000円)

アントニ・タピエス
《足と赤い線》


エッチング・カーボランダム
1982年
53.5×68cm
直筆サイン
限定75部



作品の第一印象


画面いっぱいに広がる土色の余白、その中央に沈むように置かれた「足」のイメージ、そして上部を水平に走る鮮烈な赤い線。

静けさの中に、身体の痕跡と衝動が同居する――アントニ・タピエスらしい“物質の詩”が凝縮された一枚です。

タピエスらしさ 物質と痕跡の表現


タピエスは絵具や砂、土、布、記号、傷のような線を用い、「描く」という行為そのものを“痕跡”として画面に定着させてきました。本作でも、単なる図像としての足ではなく、擦れや滲み、擦過の跡が重なり、触れられるような実在感を生みます。

見るというより、手触りまで想像させる強さがあります。

赤い線がつくる緊張感


赤い線は、装飾ではなく画面の呼吸を変える“決定的な一撃”です。土色〜黒褐色の重い質量の上に、赤が一本入ることで、視線が一瞬で引き上げられ、画面全体に張りが生まれます。

沈黙の大地に走る血脈、あるいは封印や誓約の印のようにも感じられ、作品の意味を単線で固定しない余韻が魅力です。

技法の見どころ エッチング・カーボランダム


本作はエッチングに加え、カーボランダム(研磨材)による独特のマチエールが要点です。カーボランダムは版に粒子を用いて“ざらつき”や“盛り上がり”をつくり、インクが深く残ることでベルベットのように濃い黒、乾いた土のような質感、擦れたようなグラデーションが生まれます。

タピエスの「物質性」を版画で成立させるうえで、この技法は非常に相性が良く、実物ではインクの厚みや表面の気配がはっきり伝わります。

構図とモチーフ 足という象徴


足はタピエス作品でしばしば現れるモチーフで、身体の一部であると同時に、存在の証、歩み、時間、労働、祈りの痕跡など多層的な意味を帯びます。

輪郭が明確に描かれながらも、周囲の擦れ・汚れ・霞みが足を現実から引き離し、記憶や夢の断片のように提示している点が秀逸です。

1982年という時代性


1980年代のタピエスは、記号性と物質性のバランスが成熟し、画面がより簡潔で強靭になっていく時期です。本作も、要素は多くないのに情報量が濃く、タピエスの“削ぎ落としてなお残る強さ”が前面に出ています。

抽象と具象の境界を軽々と跨ぎ、観る側の解釈を引き出す完成度の高い一枚です。

コレクションとしての魅力


直筆サイン入り、限定75部という希少性に加え、タピエスの核心である「物質」「痕跡」「記号」を、版画ならではの深い黒と肌理で味わえる点が大きな魅力です。空間に掛けると、土色の余白が壁と響き合い、赤い線が遠目にも効いて、静かなのに強い存在感を放ちます。

タピエス入門としても、代表性の高い一作としてもおすすめできる内容です。

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