シュルレアリスティックな花
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66,000円(税6,000円)
サルヴァドール・ダリ《ユウスゲと怒る象》リトグラフ 1972年。限定350部、直筆サイン。幻想と現実を融合した作品。
サルヴァドール・ダリ《シュルレアリスティックな花》
1972年刊行
ダリのオリジナル版画15点収録
ヘリオグラヴュール・ドライポイント
《シュルレアリスティックな花(Les Fleurs Surréalistes)》は、スペイン出身の巨匠サルヴァドール・ダリ(Salvador Dalí, 1904-1989)が1972年に制作した版画集です。全15点で構成され、現実の花や植物をモチーフにしながらも、ダリならではの幻想的で超現実的なイメージが重ねられています。各作品はヘリオグラヴュールによる精緻な下絵の上に、ダリ自らがドライポイントで直接加筆を行い、独特の存在感と立体感を生み出しています。
制作背景
1970年代のダリは、宗教的テーマや神秘思想、潜在意識の探求を軸に、シュルレアリスムの枠を超えた独自の芸術世界を追求していました。本シリーズでは、花という自然界の象徴を題材にしながら、夢と現実、意識と無意識が交差するダリ独自の精神世界を映し出しています。
表現と特徴
• 幻想と現実が交差する花の造形
実際の植物をモチーフにしながら、ダリ独特の変形や象徴を重ね合わせることで、現実の花が異次元の存在感を放っています。
• ヘリオグラヴュールの精緻さとドライポイントの即興性
緻密なディテールを再現できるヘリオグラヴュールに加え、ダリ自身のドライポイントによる加筆で、画面に独特の力強さと個性が宿っています。
• 豊かな象徴性
花弁の中に人間の顔や動物、神話的なイメージを潜ませるなど、潜在意識を刺激する多層的な構造を持っています。
技法と仕様
• 技法:ヘリオグラヴュール(héliogravure)+ドライポイント
• 制作年:1972年
• 構成:全15点
• 刷り工房:フランスの高名な工房で制作され、高精細な印刷技術とダリの加筆が組み合わされています。
• 限定部数:一般的に限定350部とされ、各作品にはサイン入り。
芸術的意義
《シュルレアリスティックな花》は、ダリが版画技法の可能性を追求した成果であり、シュルレアリスムの精神とダリ独自の造形力が融合したシリーズです。花という普遍的なテーマを通じて、自然と幻想、現実と無意識をつなぐ象徴的な世界を描き出した、ダリ後期の重要な版画集のひとつです。