アントニ・タピエス
作家名一覧
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385,000円(税35,000円)
アントニ・タピエスの《足と赤い線》。1982年エッチング・カーボランダム。直筆サイン、限定75部。物質と痕跡の詩。
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242,000円(税22,000円)
アントニ・タピエスの《カタロニアの詩 Pl.1》リトグラフ。1973年制作、直筆サイン入り、限定75部。物質感溢れる表現が魅力的。
アントニ・タピエス Antoni TÀPIES (1923-2012)
スペイン・バルセロナに生まれる。裕福な家庭に育ち、幼少期から文学や哲学に親しんだが、16歳の時に病を患い長期療養を余儀なくされたことが、内省的な思索と芸術への傾倒を深める契機となった。当初は法律を学ぶが、やがて画家を志し、ほぼ独学で制作を始める。第二次世界大戦後のスペインにおいて、前衛芸術運動「ダウ・アル・セット(Dau al Set)」の結成に参加し、シュルレアリスムの影響を受けた幻想的な作品を発表する。その後、次第に抽象表現へと傾き、ヨーロッパに広がったアンフォルメル(Informel/非定形芸術)の潮流と呼応しながら、砂や土、布、藁などを絵具に混ぜ込んだ独自のマチエール表現を確立した。タピエスの画面は、壁や大地を思わせる荒々しい質感に覆われ、そこに記号的な文字や十字、身体の痕跡のような形象が刻み込まれている。1950年代以降、国際的に高い評価を受け、ヴェネツィア・ビエンナーレやドクメンタなど主要な国際展に出品。フランコ独裁政権下のスペインにおいては、抑圧への抵抗や精神的自由を象徴する作家としても位置づけられた。アンフォルメルの精神を体現する作家として、タピエスは絵画でありながら彫刻的とも言える物質感を追求し、精神性と物質性の融合を独自の表現へと昇華させた。2012年に死去するまで制作を続け、晩年にはカタルーニャ文化の象徴的存在としても尊敬を集めた。アントニ・タピエスは、アンフォルメルを代表する作家の一人として、20世紀後半の抽象美術に決定的な足跡を残した。