ノアノア木版画集

   
全2作品

ポール・ゴーギャン 《ノアノア木版画集》

1894年制作、1921年刊行 ポール・ゴーギャン著 ポーラサイン・エディション(100部)入り

《ノアノア木版画集》は、ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin, 1848-1903)が1893年から1894年にかけて制作した10点の木版画からなる連作で、タヒチ滞在中の体験と感動をもとに構想されました。ゴーギャンが自ら執筆したタヒチ滞在記『ノアノア(Noa Noa)』に合わせて構想されたもので、タイトルはマオリ語で「かぐわしい」という意味を持ちます。

制作背景

1891年、ゴーギャンは西洋社会から距離を置き、より原初的な美を求めてタヒチへと渡航します。南国の自然、先住民の文化、神話的世界観との出会いは、彼の芸術に大きな変革をもたらしました。 1893年に一時フランスへ帰国したゴーギャンは、タヒチでの経験を伝えるため、滞在記の執筆と同時に木版画の制作に着手。結果として誕生したのが、本作《ノアノア》の版画連作です。各章に1点ずつ挿入された木版画は、文章とともにタヒチの世界を伝える重要なビジュアル的役割を果たしています。

木版画の特徴と表現

ゴーギャンは、当時ヨーロッパ美術界では珍しかった木版画技法を積極的に取り入れ、タヒチで出会った文化や神話を象徴的かつ大胆な構図で表現しました。太く力強い輪郭線と簡潔なフォルム、黒と白の明確な対比によって、人物や自然が象徴的な存在感を帯びています。装飾性の高い構図と同時に、版木の質感を活かした独特のリズム感が、原始的で神秘的な世界観を生み出しています。

ポーラ・ゴーギャンによる1921年刊行版

本版画集は、ゴーギャンの四男ポーラ・ゴーギャンによって1921年に限定100部で刊行されたものです。 ポーラ版の大きな特徴は以下の通りです: • 収録作品がオリジナル版と一部異なり、「抱擁」「神々」の代わりに「神の日」「微笑」が加えられている • 版木のかすかな線や細部のニュアンスを忠実に再現している • ゴーギャンの筆跡や版木の質感をできる限り忠実に伝えることを重視 これにより、オリジナル版の精神性を損なうことなく、より完成度の高い木版画集となっています。

芸術的意義

《ノアノア》は、ゴーギャンが求めた「文明からの解放」と「原始的な精神世界」の象徴といえる作品です。西洋美術の文脈にタヒチの神話や自然観を融合させたことで、象徴主義や後のエコール・ド・パリにも大きな影響を与えました。 木版画という伝統的な技法を用いながらも、従来の版画芸術にはなかった独創的な表現を切り開いた点で、美術史上極めて重要な位置を占めています。

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