ピエール=オーギュスト・ルノワール 《花飾りの帽子》 ドライポイント 1894年-1921年 11.5×8cm 版上サイン

495,000円(税45,000円)

DETAIL

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《花飾りの帽子》


ドライポイント
1894年制作、1921年刊行
11.5×8cm
ジョルジュ・リヴィエール著《ルノワールとその友人》より、本付き


額・黄袋・箱付き

本作品《花飾りの帽子》は、印象派を代表する画家ピエール=オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)が1894年に制作したオリジナルドライポイント作品で、1921年刊行のジョルジュ・リヴィエール著《ルノワールとその友人》に収録された版画です。柔らかな線描と繊細な陰影によって、ルノワールらしい優雅で親密な雰囲気が表現されています。

柔らかな視線と親密な構図


作品には、大きな花飾りの帽子をかぶった女性たちの姿が描かれています。向かい合うように寄り添う二人の距離感は親密で、穏やかな時間の流れを感じさせます。顔立ちの描写は最小限に抑えられているものの、帽子や衣服に施された柔らかな線の重なりが、女性たちの優雅さと可憐さを印象的に際立たせています。

ドライポイントならではの温もり


ルノワールはこの作品で、銅版画の中でも特に柔らかい線質が得られるドライポイント技法を用いています。針で直接版に刻んだ線がインクをたっぷりと含むことで、柔らかな陰影と独特のにじみが生まれ、油彩作品とは異なる版画ならではの親密な表現が可能になっています。
また、筆による明暗よりも線の重なりで空気感を描き出す点に、ルノワールの繊細な感覚がよく表れています。

女性像へのまなざし


この作品では、女性たちの表情や仕草を細部まで描き込むのではなく、柔らかな線の重なりによって全体の空気感を伝えています。花飾りの帽子や髪の流れを包み込むような筆致からは、ルノワール特有の親しみと優しさが感じられます。人物の外見よりも、その存在がもたらす穏やかな時間や感情を表現することに重点が置かれた一点です。

ルノワールと版画作品


ルノワールは49歳のときにサロンへ最後の出品をし、その後版画作品の制作を行うようになりました。刷りは、ルオーの刷り師もつとめたオーギュスト・クロが手がけました。ルノワールは、エッチング やドライポイントなどの技法では、できるだけ単純なスケッチ風の作品を制作し、自由な線を表現しました。1850年代以降は、ポスター画家で刷り師のジュール・シェレなどの活躍によりリトグラフの技術が発達していきました。ルノワールも、当時版画作品の制作に心血を注いでいた画商ヴォラールのすすめにより、リトグラフ作品を制作するようになります。ルノワールは、チョークでデッサンしたときのように美しい赤や黒などの色彩を表現できるリトグラフという手法に興味を示し、没頭するようになりました。しかしながら、ルノワールが生涯で制作した版画はエッチングとドライポイントを合わせて25点、リトグラフが30点と合計で55点ほどしかなく、大変貴重なものとなっています。

ピエール=オーギュスト・ルノワール Pierre-Auguste RENOIR (1841-1919)


1841年フランス・リモージュ生まれ。幼少期から絵を描き始め、磁器工場で見習工として働いた後、シスレー、モネ、バジールらと出会い、印象派の中心的存在となる。1864年パリ・サロンで初入選し、1867年の『日傘のリーズ』で注目を集めた。1879年『シャルパンティエ夫人とその子どもたち』が高く評価され、人気画家として地位を確立する。1892年頃から関節リウマチを患い、1907年に温暖なカーニュ=シュル=メールへ移住。病と闘いながら晩年まで制作を続け、1919年没。女性美を賛美する作品で知られ、印象派を代表する画家の一人として高く評価されている。

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