エルサレム・ウインドウ

   
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マルク・シャガール 《エルサレム・ウインドウ》

1962年刊行 オリジナルリトグラフ2点+エスタンプ12点入り挿画本 ムルロ工房刷り

概要

《エルサレム・ウインドウ(The Jerusalem Windows)》は、マルク・シャガール(Marc Chagall, 1887-1985)が1962年に刊行した挿画本で、2点のオリジナルリトグラフと、シャガール監修のもとシャルル・ソルリエ(Charles Sorlier)が制作したエスタンプ12点を収録しています。本書は、エルサレムのヘブライ大学付属ハダッサ医療センターにあるシナゴーグ(ユダヤ教会堂)のためにシャガールが制作した12枚のステンドグラス・ウインドウの下絵をもとに構成されており、シャガール芸術の代表的な宗教的モチーフを凝縮した作品集です。

制作背景

1959年から1961年にかけて、シャガールはエルサレムのハダッサ医療センター内シナゴーグのために12枚の巨大なステンドグラスを手がけました。テーマは旧約聖書に登場する「ヤコブの12人の息子」を祖とするイスラエルの12部族で、それぞれの窓が1つの部族を象徴しています。 ユダヤ教の戒律によりシナゴーグ内部で人間像を描くことは禁止されているため、シャガールは旧約聖書の物語からインスピレーションを得て、動物・植物・自然のモチーフを組み合わせることで各部族を象徴的に表現しました。この挿画本は、そのステンドグラス制作過程を記録すると同時に、シャガールのイマジネーションを豊かに伝えるものとなっています。

技法と構成

• オリジナルリトグラフ2点 シャガール自ら制作したカラーリトグラフで、鮮烈な色彩と幻想的な構成が特徴。ステンドグラスの輝きを感じさせるような、透明感のある発色が魅力です。 • エスタンプ12点 シャガール監修のもと、ムルロ工房の名工シャルル・ソルリエがリトグラフに起こした作品で、12の部族それぞれの象徴を表現。動物・果実・星・草花など多彩なモチーフが組み合わされています。 • ムルロ工房刷り リトグラフの最高峰として知られる**ムルロ工房(Atelier Mourlot)**で刷られたことにより、シャガール独特の色彩感覚が忠実に再現されています。

芸術的特徴

• 鮮烈な色彩と光の表現 シャガールはステンドグラスを意識した色彩設計を行い、深い青、鮮やかな赤、黄金色など、光を透過するイメージをリトグラフに転写しています。 • 象徴的モチーフの多用 旧約聖書を背景に、羊・鳥・魚・果実・星など象徴的モチーフを多層的に組み合わせることで、視覚的な物語性を生み出しています。 • 宗教と詩情の融合 ユダヤ教の伝統を尊重しながらも、シャガール独自の幻想的で詩的な世界観を構築。聖書の神秘性と個人的な感情表現が調和しています。

まとめ

《エルサレム・ウインドウ》は、シャガールの宗教的テーマにおける代表的な挿画本であり、彼の芸術観を象徴する作品集です。オリジナルリトグラフ2点と12部族を描いたエスタンプ12点によって、旧約聖書の物語、ユダヤ教の伝統、そしてシャガール独自の詩的想像力が見事に融合しています。ムルロ工房による高品質な印刷と、シャルル・ソルリエの精緻な技術も相まって、コレクターズ・アイテムとして極めて高い価値を持つ一冊です。

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