藤田 嗣治 《ノルマンディ》 リトグラフ 1960年 版上サイン

385,000円(税35,000円)

DETAIL

藤田 嗣治
《ノルマンディ》


リトグラフ
1960年
80×56cm
版上サイン
フランス国鉄(SNCF)のために制作されたリトグラフポスター


額・黄袋・箱付き

本作《ノルマンディ》は、1960年にフランス国鉄(SNCF)の観光ポスターのために制作された作品として知られています。フランス北西部、ノルマンディ地方の豊かな田園風景をモチーフとし、藤田らしい柔らかな色彩で、牧歌的で穏やかな情景を描き出しています。

画面右手には、ノルマンディ特有の木組みの家屋が描かれ、その屋根の緑が周囲の草原と呼応するように鮮やかに映えています。左奥には乳牛が草を食む姿が配され、奥行きある空間構成とともに、静かな時間の流れが感じられます。揺れる草花、光を透かす新緑の枝葉、そして爽やかな青空——すべてが春の訪れを告げるように、清々しい生命感に満ちています。

藤田は生涯を通じてパリを拠点に活動しつつ、フランス各地を旅し、自然と人々の暮らしが調和する風景を数多く描きました。本作はそうした藤田の感性が凝縮された一枚であり、フランスの美しい地方文化を広く伝える目的で制作されたリトグラフポスターとしても高い価値を持っています。

SNCF観光ポスターシリーズについて


フランス国鉄(SNCF)は、当時急速に整備が進んでいた鉄道網を活かし、国内観光の促進を目的としたポスターを積極的に制作しました。その中で藤田は、《ノルマンディ》を含むいくつかの地域をテーマに描き、フランス各地の風景美を世界に紹介しました。

藤田が手がけたとされる代表的な地域は以下の通りです:
• ノルマンディ(Normandie)
• アルザス(Alsace)
• ブルターニュ(Bretagne)
• ロワール(Loire)

いずれの作品も、観光ポスターという商業的な性格を持ちながらも、藤田らしい繊細な線描と軽やかな色彩で、地方の魅力を芸術的に昇華しています。とりわけ《ノルマンディ》は、その爽やかな緑と柔らかな光の表現によって、シリーズ中でも特に人気の高い一枚といえます。

藤田 嗣治 Léonard FOUJITA (1886-1968)


1886年現在の東京都新宿区新小川町の陸軍軍医の家に生まれる。1910年東京美術学校西洋画科卒業。当時主流であった明るい外光派風の洋画にあきたらず、1913年渡仏。パリのモンパルナスでピカソやヴァン・ドンゲン、モディリアーニらエコール・ド・パリの画家たちと交流する。彼らに刺激され独自のスタイルを追究し、面相筆と墨で細い輪郭線を引いた裸婦像は、「素晴らしい白い下地(grand fond blanc)」「乳白色の肌」と呼ばれ絶賛される。1955年にフランス国籍を取得。1957年フランス政府からレジオン・ドヌール勲章シュバリエ章を受章。1959年ランスの大聖堂でカトリックの洗礼を受ける。最晩年には、ランスに感謝を示したいと礼拝堂「シャぺル・ノートル=ダム・ド・ラ・ペ(フジタ礼拝堂)」の設計と内装デザインを行った。1968年1月29日チューリヒにて死去、遺体はフジタ礼拝堂に埋葬された。日本政府より勲一等瑞宝章を没後追贈される。

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