パリ・キャピタル

   
全10作品

モーリス・ユトリロ《パリ・キャピタル》

1955年刊行 ユトリロのオリジナルリトグラフ10点収録 アンドレ・モロワ著 ジョゼフ・フォレ社刊

概要

《パリ・キャピタル(Paris Capitale)》は、モーリス・ユトリロ(Maurice Utrillo, 1883-1955)が晩年に制作した挿画本で、オリジナルリトグラフ10点を収録した豪華本です。1955年、パリのジョゼフ・フォレ出版社(Joseph Foret)から限定版として刊行され、テキストはフランス文学界を代表する作家**アンドレ・モロワ(André Maurois)が執筆、さらにユトリロの妻で画家でもあったリュシー・ヴァロール(Lucie Valore)**が装飾画を担当しています。

制作背景

この作品集は、ユトリロが長年描き続けたパリの街並みをテーマとし、彼の芸術を集約する豪華挿画本として企画されました。晩年のユトリロは体調が優れない時期でしたが、彼が心から愛したモンマルトルやサクレ・クール寺院をはじめ、セーヌ河畔、街角のカフェなど、パリの象徴的な風景を優しく、親密なまなざしで描いています。

技法と構成

• オリジナルリトグラフ10点 ユトリロ自身が石版に直接描き下ろしたリトグラフで、彼特有の淡い色彩と柔らかな光を繊細に表現しています。 • 高品質な刷り 刷りはパリの優れた工房で行われ、ユトリロの油彩表現を忠実に再現した豊かな発色が特徴です。 • 豪華挿画本としての構成 アンドレ・モロワの文学的テキストと、リュシー・ヴァロールによる装飾が組み合わされ、絵画・文章・デザインが一体となった芸術作品として仕上げられています。

芸術的特徴

• ユトリロ芸術の集大成 モンマルトルの路地裏や教会、静かな広場など、ユトリロが描き続けたパリの本質を凝縮。 • 叙情的な色彩と静謐な世界観 柔らかい白壁や灰色がかった空気感、パリの曇り空までも感じさせる、ユトリロ特有の色調が魅力です。 • 文学と美術の融合 モロワの詩的な文章がユトリロの絵画世界を引き立て、挿画本として高い完成度を誇ります。

ユトリロ挿画本の中での位置づけ

《パリ・キャピタル》は、ユトリロ晩年に刊行された挿画本の中でも特に完成度が高い作品集として知られています。オリジナルリトグラフ10点を収録した本書は、ユトリロが長年描き続けたパリの街並みをテーマとしており、画業の集大成的性格を持っています。 ユトリロの挿画本には、他にも《モンマルトル風景集》や《パリの街角》などがありますが、それらが比較的限られた地域や建築に焦点を当てているのに対し、《パリ・キャピタル》はモンマルトルからセーヌ河畔までパリ全体を包括的に描いた点で際立っています。また、アンドレ・モロワの文学的テキストとリュシー・ヴァロールの装飾を組み合わせた構成は、単なる画集ではなく絵画・文学・デザインの融合を実現しており、挿画本としての完成度を一層高めています。 こうした特徴から、本書はユトリロの挿画本の中でも特に評価が高く、コレクションや展示資料としても重要な位置を占めています。

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